2.07.2010

Cyber Arts Japan シンポジウム


展示をしっかり見て回る時間が無かったので、シンポジウムのみに参加してきました。展示は後日。


ARS ELECTORONICA の30年
ゲルフリート・シュトッカー氏(アルスエレクトロニカ芸術監督)、坂根厳夫氏(IAMAS名誉教授)、ハンネス・レオポルドゼーダー氏(アルスエレクトロニカ創始者・リンツ芸術工科大学名誉教授)、クリスティーネ・ショップ氏(アルスエレクトロニカ芸術監督・リンツ芸術工科大学名誉教授)

オーストリアの小さな街、リンツにあるテクノロジー・メディアアートのミュージアム「アルス・エレクトロニカ・センター」。ここで毎年開催される国際的なメディアアートの展覧、上映、パフォーマンスなどが大々的に行われるイベントがArs Electoronica。

鉄鋼業に代わる街の将来的な振興策としてテクノロジーアートという新しい芸術分野が選ばれるという当時としては画期的で大変勇気ある決断がされた。

30年続くというのは、Ars Electoronica Festivalが認知、評価され常に人の繋がりを生み出す様になったから。「このイベントに行けば、こんな楽しいことをやっている人たちに会える」というサイクルが形成されている。

この30年で40000点もの作品がArs Electoronica Centerにアーカイブされている。

Ars Electoronicaが目指すのは「テクノロジー、機械と人の関わりの探求」「Arts, Technology, Society」である。

フェスティバルでは毎年、その時々の社会を意識したテーマを掲げている。

Prix Ars Electoronica には Under19の部門が設定されており、非常にクオリティの高い作品が応募されている。

日本のアーティストの作品はヨーロッパの若いアーティストへ特に大きな影響を与えている。ヨーロッパ的でない感性が彼らの新しい創造を生み出す力になっている。

残念ながら日本ではテクノロジーアートを扱うミュージアムもまだ少なく、社会的に認知されていない現状がある。

修士の研究テーマとArs Electoronicaのテーマが似てる事になんだか感動。といってもテクノロジーアートがもとよりテクノロジーを用いた新しい表現方法の追求であるので、似ていて当たり前です。ただし、こちらはそのテーマをデザインという視点で考え、実験的なものからより実現レベルに持っていく事が求められるという点で違うと考えています。

それにしてこうした先進的なアートが地域振興として活用され、この分野の中心になっているというのはとても凄い。日本で同じことをするのはまだ難しそうです。文化背景が違うからなかなか受け入れられない面があるようです。


日本語のページがあるということはかなり日本との関わりが深い様です。

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