10.30.2009

Tokyo Motor Show(ホンダ)


三菱のi-MiEV(電気自動車)かホンダのFCXクラリティ(燃料電池車)に試乗したくて開場前から並んでいたのですが、GT-RにZ、インプレッサなどのスポーツ系が埋まると次世代自動車があっという間に受付終了に。こうなってはインサイトかプリウスかアクセラか。とりあえず現在の最新モデルをと考え、ホンダのCR-Z(スポーツハイブリッド)もまもなく発売される事だし、弱ホンダ党だし、インサイトに乗っておこうという結論に至りました。



周回コースは幕張メッセを左回りに1週とちょっと、という説明を受けて誘導されて車の前へ。ディーラーのお兄さんと乗る事を想像していろいろ車について聞こうと思ってたら、お姉さんで焦りました。あれ?なんか2人っきりのドライブになってるよ?いや勘違い。ハイブリッド車の運転は初めてですがやっぱりそこは普通の車で、特に違う感じはしませんでした。気がつくとアイドルリングストップしてたり、発信加速の途中からエンジンが加わってきたり。ただ回生ブレーキの効きはじめにカクンとくるのは「発電してる感」もするけど「違和感」もするところでした。

カーオブザイヤーではやっぱりプリウスに負けてしまったインサイトですが、来年にはCR-Zやフィットなどのコンパクトカーにインサイトのハイブリッドシステムが搭載される様に、すぐに普及できるハイブリッドテクノロジーがホンダ・インサイトの良さだと思っています。逆にプリウスはハイブリッドを極めようとしたモデルで、大容量のバッテリーに複数の高出力モーターを内蔵するなど文字通りハイブリッド専用車なのです。正直なところこの2台をクルマ単体で単純比較するのは個人的に違和感が。

その辺りのことをお姉さんと楽しく話していると、なんだかホンダ褒めまくってしまった感が否めないのです(終止お姉さんにはありがとうございますと言われてしまった)が、本音だからいいか。こういう突っ込んだコメントは1週間試乗会をやってて無かったらしいです。やっぱりクルマの内面まで興味ある人って少ないのかな?



入場まで1時間、さらに試乗まで1時間をこなしたところでホンダのブースから見て回ります。「ないものをつくれ。」良いですね。


CR-Z、コンセプトカーのスタイリングの方が好きなのですが実物を見ると割と許せます。リヤへ向かったキャビンの絞り込みとそれによるリアタイヤの張り出しが良い。後部座席はおまけみたいなものですが、4人乗れなきゃクルマじゃないと思っている(使えないクルマになってしまう)のでOK。一つ文句を言うとすればボンネットとフロントウィンドウのつながりが不自然。とくに真横から見ると。ずいぶん長い時間こいつの前に居ました。就職したら購入の第一候補。



EV-Nは「おおきなおもちゃ」と公言されてました。変に「普通」にせずおもちゃを貫いたところに好感。これもこの小ささで4人乗れる。



2輪ではshadow750の黒いやつが意外に良い。400でも出たら買い替え候補になりそう。当分先だけど。



VFRは新開発のデュアルクラッチトランスミッションを搭載。クルマでいう2ペダルMTモードがあります。そのうち白バイ仕様が出るのだろうか?



最新のCB。古くもあり新しくもある、そんな感じの外観。ホンダのデザインは機能的でスマートな感じになりつつあります。小細工を見せない、非常に堂々としたシルエット。しつこくなくて良いです。

HCD05 : ビジョン提案型デザイン手法

今回は先生が参加しているビジョン提案型デザイン手法について。アーゴデザイン部会や今までのプロジェクトで何回か概要について聞いていましたが、これまでの講義と違ってまだ模索されている手法でまだ代表的な事例に乏しく頭では分かるけど...という感じです。


この手法には大きく3つの要素があります。

1.本質的価値の抽出
ビジョン提案型で重要なのは「問題解決」ではない「新しい価値の創造」です。ここでユーザーが何を望むのかユーザー自身にも分かっていない本質を掘り起こすことが必要になります。また企業はユーザーに対してどう在りたいのかも提案のアプローチとして重要になる。本質はユーザーインタビューやオブザベーションなどから「ユーザーの言葉」を取り出し、その言葉がなぜ出てきたのかを探っていきます。これがかなり難しい。どんな言葉に対しても「なぜ?」と聞くスタンスでいないと聞き手の想像で補ってしまいがちになる。また、企業のドメインも難しく分かりやすい企業ばかりではない。とくにB to Bの企業はまだまだ想像しにくい部分が多々在る。

2.ペルソナ手法
どのようなユーザーに対してサービスを提供するのか明確にします。ここにも抽出された本質的価値が取り込まれます。

3.構造化シナリオ手法
 1.サービスレイヤー:ユーザーにどのような満足を与えるのか?
 2.アクティビティレイヤー:ユーザーはどのような行動をするのか?
 3.インタラクションレイヤー:ユーザーはモノ・サービスとどう関わるのか?
 4.システムレイヤー:どのようにこれらを実現するのか?
やってみると意外に難しいのは最初から具体的に書きすぎてはいけないということ。しかし、よく見てみるとアイデア展開の思考をシナリオという形に置き換えている様にもみえる。「ユーザーの体験を少しずつ詳細にしていく事で、発想を閉塞させないためのアイデア展開の方法」が構造化シナリオ手法の本質ではないのか。


ワークショップや授業などで実践して思うのが、手法を意識しすぎてぎこちなくなること。使い慣れた道具でないと思う様に効率が上がらないのと一緒で、手法のプロセスと自分の思考をなじませることがまず必要そうです。


話の中で提案を考えるデザイナー自身のブランドも重要という話題に。自分のアイデンティティを考えることですね。

10.23.2009

HCD04 : カスティリオーニ(つづき)

先週に引き続きカスティリオーニのデザインについて。最初にカスティリオーニに関する唯一の日本語の本、「アッキレ・カスティリオーニ 自由の探求としてのデザイン」の紹介。

次にカスティリオーニのデザインを先生流に解釈すると" Appearance, Usability × Cost "つまり良いものを安く作ることを考えている。しかし、最初からコストが最優先されている訳ではない。カスティリオーニの手法は

1. Redesign:既存の製品に手を加える。
2. Ready made design:既存の部品を流用する。
3. Metapha:楽しさを加える

の3つが柱になっている。つまり、今あるものを見直し、どうすればより使い手が楽しくなるかを考えた結果、違う用途の部品を取り入れてみるなどの試みが生まれた様に感じます。時代がちょうど工業化されたもの作りに移っていくさなかであったことも要因と思えます。

カスティリオーニは上の3つの他にProductにある物の存在価値や形の意味などから発想を広げ、そこにHumanという要素を加えることでWho, Where, When, Why, Howという様に物と人の関係も考えています。




デザインの考え方を方程式の様に書くと考え方が一つにまとまって、後で思い出したり、他のデザイナーの思考と比較したり出来て面白いかもしれない。



最後にScenario Based Design(J.Carroll)について。ProductとHumanの関係を示すものがシナリオやストーリーである。カスティリオーニの作品集はストーリーをとてもわかりやすく、楽しく表している。

1. Who
2. Background [Where,When]
3. Why
4. Timescale [Action,Event]

シナリオには以上のものが含まれる。物についての表現がDrawingとSpecならば、物と人の関係を表す手段がScenarioとPersonaそしてUniversal Modeling LanguageのようなVisualとなる。

Magic Mouse


東京へ行く用事があったので、待ち合わせまで少し寄り道してApple Store Ginzaに行ってきました。もちろん新しいMacBookの白いやつとMagic Mouseを見るためです。



全体的にポリカーボネードの光沢面が増えて、これが若干安っぽく感じてしまう。しかし側面から見たボディの丸め処理はiPhoneのラインと似ていてかわいいキャラクターになりました。パームレストのひび割れに配慮してか、これまでのユニボディMacBookと同様に液晶ベゼル周囲にクッションとなるラバーが備えられました。バックライトの変更で液晶もかなり薄くなりました。うらやましいのはMagSafeのコネクターがMacBookAirのものと同じになってます。



次は本命のMagic Mouse。なんとなくあの有名なネズミを思い出してしまう。ネットの記事ではわからなかったのがクリックがiPhoneのようなタップ操作で行われるのかという点。確認したところクリックは上面のプラスチック部全体が沈み込む形になっていて、今までのAppleのマウスと変わらない。タップでクリックという設定も見つけられなかった。リンゴマークから向こう側、白い部分の70%にはタッチセンサーが内蔵されています。

無線式の重さに慣れていないのでマウスを持ち上げる様なときに違和感を感じるのと、Exposeを割り当ててたサイドキーがなくなったのがちょっと気になる。ただソフトウェアのアップデートで新しい操作を加えられるかもしれません。

富士山


日曜に富士山へ行ってきました。といっても5合目までのドライブですが。メンバーはグッドデザインのリーダー4人ともう1人。上の写真は1名遅刻待ちの図。「とりあえず富士山に行く」ことしか決めないまま集まって出発しました。5人いて4人免許持ってるのに3人ペーパードライバーって判明したのが出発当日。この日結果的に9時間ぐらい1人で運転することに。



とりあえず海老名SAで一息。世界1の肉まんを食す。しかしよく見ると日本全国2位の表記が。



高速を降りて一般道を富士山へ向かっている頃。ばりばり運転してます。車は偶然にも実家と同じマツダのデミオ。



富士山へ向かう山道。木々の向こうに富士山が見えてきます。



5合目で既に雲の上。冷たい風が気持ちいい。



ここまで来ると富士山も平たい。



この後、富士宮で焼きそばを食べ、悪夢の様な渋滞を切り抜けて東京へ戻ってきました。

10.15.2009

HCD03 : The Playpen

今週は受講者の自己紹介から始まりました。結局3分間プレゼンはほとんど守られず。自分の番から破った感じもありますが。

今週のテーマはカスティリオーニのデザイン。

カスティリオーニのプロダクトの背景にあるデザインコンセプトとストーリーを見せる、イラストとプロダクトの組み合わせがとても楽しい。カスティリオーニは決して新しく斬新なものを作るのではなく、新しい体験をするためのプロダクトをデザインし、その結果がカスティリオーニらしさを作っています。

The Playpen
「玩具の様に興味を引かれ、楽しみながら使用でき、新しい体験を得ることが出来る」

The Playpen / New York Times

カスティリオーニのデザインはすべて"The Playpen"の考えに忠実です。美しく、機能的で、楽しい・・・完璧じゃないか。英語ですがNewYorkTimesの記事にはカスティリオーニの人柄が書かれています。非常に高齢になった後も彼は楽しむことをやめず、異常なほどの遊び好きで、子供の様な心を持った人みたいです。こんなおじいちゃんが身近にいたらどんなに楽しいだろうか。

次週もカスティリオーニの話が続く模様。

10.10.2009

参考|楽しみが人々の行動を良くする




「楽しみが人々の行動を良くする」という考え方で、スウェーデンのフォルクスワーゲンが行なっている「rolighetsteorin」というプロジェクト。階段をピアノにするものと底がとても深いゴミ箱という2つのインスタレーション。



とても面白いプロジェクトですが、いろんな所でやるとすぐに珍しさがなくなってしまうので、続けていくには毎回アイディアが必要そうです。ちなみにゴミ箱に書かれている「VÄRLDENS DJUPASTE SPOTUNNA」は「世界の最も深い場所を譲れ」という意味。


IT media:News ねとらぼ

10.08.2009

HCD02:アイデンティティ

今週の人間中心設計特論は先生の経験談を交えて、Paul LandとRichard Sapperのデザインについて。

■2つのデザインアプローチ
・論理的な手法を活用してデザインする
 →プロセス、様々な手法を用いる

・センスや体験(経験)でデザインする
 →IBMではセンスのあるコンサルタント(Paul Land、Richard Sapper)を招いた


■Universal ⇔ Context
・ユニバーサルな美しさ
 →時代や場所にとらわれない誰にでも共通する美しさ

・コンテクストな美しさ
 →時代や地域を象徴するような美しさ


■Richard SapperとPaul Land
・プロトタイプは実寸で制作する。
 →大きさに対して感じ方は、同じ形であっても異なる。

・methodとsens
 →自由に見えるデザインの中にも彼らのルールがある。
 →絵画から取り入れた色と動きを与える「斜め」の要素[Paul Land]
 →幾何学的な造形の中に少しのユーモアを与える[Richard Sapper]

・Content [誰が、いつ、どのように] + Form [形、色、レイアウト] = Design
 →Paul Landの「良いデザイン」の条件とはこの式が成り立つこと。
 →Contentの考え方がHuman Centered Designのプロセス

・プロダクトに入れるロゴもプロダクトデザインの領域で考える。

・デザインとして素晴らしいものがアートにも通じる様に心がける。

・自分の仕事に対し常に第3者として評価できることが大切。

・才能とは教えられるものではなく自ら学ぶことで身につける。
 →なぜ「それ」が美しいのか常に問うこと。本質を見つける。


■自分のアイデンティティとは?
・工業高等専門学校での機械工学の知識
・レスキューロボット開発チームに学生研究員として関わった経験
・大学でのデザインの知識と技能
・音楽的感性?



Richard Sapper(wikipedia)(デザイン・トレンド)
Paul Land(wikipedia)(at the MIT media Lab.)

10.06.2009

雑記|「つぶやき」はじめました

続くかわからないけど、mixiにも似た機能がいつの間にかついてたし、とりあえず「ブログに書くほどでもないけど、誰かに伝えたい」的なTwitterがどんなものか体験してみることに。

10.05.2009

Good Design Award 2009

本年度のGood Desginの結果が発表されました。結果だけでなく、審査員の視点としてインタビューも公開されています。

GOOD DESIGN AWARD 2009

10.01.2009

参考|視覚効果の100年



コミュニケーションデザイン特論の宿題みたいなもので映像表現について調べています。上の動画は視覚効果の100年を5分にまとめられたものです。昔のものはどこかコミカルに見えてしまいますが、創意工夫が見えて面白いです。今のものはリアルなCGで補正されたり、無いものが作られていて逆に違和感が無く、作品にもよりますが視覚表現というよりはストーリーに目が行ってしまいます。



あとついでに見つけたので"Power of Ten"も。




おまけに好きなホンダ、アコードのCM。

UCD01|User Experience Innovation


Kevin Clarkさんの講演「User Experience Innovation」についてのメモ書き。

Human Centered Innovation
・人は言ったことや聞いたことは忘れてしまう、でも体験は忘れない。
・ブランドとは顧客との約束である
・ブランドはロゴやマークではなく体験と考える。

人を中心に考えるイノベーションについて、ユーザー体験をより良いものにすることがブランドを良いものにする。単純にロゴを変えてもブランドは変わらない。(←どこかで聞いた様な話)

Enduring Brand(ブランドが続いていくために)
・Relevance(なぜ必要なのか)
・Context(どんなシーンで必要なのか)
・Mutual Benefit (ユーザーにも企業にも良い)
・RelevanceとContext のバランスでMutual Benefit が成り立つ。

企業やブランドのアイデンティティがユーザーにとって明確であることが選ばれるブランドになるということだろうか?

Design Thinking
・Emotional Intelligence(感覚的、感情的)
・Integral Intelligence(統合的)
・Experience Intelligence(体験的)
・exp. Google(様々なウェブサービスの統合、実験的な新サービスの体験)


Googleの様なウェブサービスに関して言えば、違うサービスを受けるのにいちいち別のアカウントが必要になるなんていうのは確かに煩わしいので統合されているのが好ましいと思う。

[c]e Educational Initiative
・デザインイノベーションについての教育が十分なされていない。
・現在、実験的にカリキュラムを作っている。


Experience Model

・exp. Dell(多くの人にPCによる体験を提供)
・exp. IBM ThinkPad (ビジネスユーザーに快適なPC体験を提供)
DellとIBMのアイデンティティの違い。ブランドの善し悪しはその目的によって計られる。

"FUMIFU"
・First Use, Must Inspire, Future Use
・最初に使ったときの素晴らしい体験は未来の利用へつながる。
全体的に考えるなら「ブランドと出会った瞬間」がFirst Useになるのだろうか?

The Cycle of Innovation
・Succeed (Thirbility)
・Innovate for wellness and health
・Survive (Sustinability)
・Innovate for fitteness and growth
一連のイノベーションの流れをフィットネスに例えた表現だろうか?

[c]e Content Evolution
・Easy to Use(使いやすさ)から Engaging and Adaptive(その人に合う魅力)へ
・使いやすさは普通(当たり前)になりつつある。
これはUDを考えたときに良く思う。「使いやすさ」はマイナスにはなっても大してプラスにならない。

Understanding from where to where

Connect is what you promise (Brand) & To what you actual do (Experience)



(走り書きのメモなので誤りがあるかもしれません。)