12.26.2009

宇宙時代のプロダクトデザイン

最近、宇宙開発関連の話題を結構耳にします。ヴァージン・ギャラクティックがスペースシップ2を公開したり、宇宙飛行士の野口さんがソユーズでISSに乗り込んで5ヶ月間の長期宇宙滞在を始めたり、GXロケットの予算が凍結されたり。


民間宇宙旅行(といっても数分の無重力体験)が実現しつつあり、まあ自分が生きている間には到底実現しないでしょうが将来的に月や軌道上に人が住むという時代もいずれやってきます。(もしかしたら人口が激減して宇宙開発なんてやってられない時代になるかもしれませんが。)そんな中、宇宙での生活が一般的になるとデザインはどう変るのか?と考えるとサービスやコンテンツはともかく、0G(低重力)という環境はプロダクトデザインやユニバーサルデザインにかなり影響を受けそうです。


手を放すと物は落下せずに宙を漂うことが前提になると、毎朝煎れてるコーヒーでさえ今の製品では作れません。作れたとしても出来たコーヒーをカップに注ぐことも難しい。そうなるとどういう機能が必要で、どんな形にならなければいけないか、見たこともないコーヒーメーカーやカップのデザインが出来るのではないかと楽しくて仕方がない。全く新しい地球上では生まれなかった新しいデザインの概念が宇宙にあると思うとなんだかロマンチックです。

12.19.2009

オープンデスクレポート in ハーズ (1)

12月中頃からムラタチアキさんのハーズ実験デザイン研究所にオープンデスク生として通っています。毎朝6:30起きの22時帰宅だけは辛いですが、大学とは違う刺激があって充実しています。

朝10時過ぎからのミーティングは何となく研究室会の様で、交代制で誰か「ためになる話」を用意したり、新しく入って来た仕事の話だったり、関西デザイン振興の話だったり、大変勉強になる時間です。小さい会社だから全員が会社を育てていくことを考えなければいけないんだなとか、これから関西のデザイン活動が面白くなりそうだとか、自分も神戸で何かしたいなとか、色々思うところがあります。


1時間程でミーティングは解散して、各自の作業に移ります。基本的にお手伝いです。初日は展示会用のプランターを6時間ほど徹底的に磨きましたが、あとはスチレンで模型作ったり、展示用のキャプション作ったり。ヘルプとは別に個人の課題も出ています。まだ企画の前段階くらいの案件で、市場調査したりアイデア出しを行って村田さんに報告・提案しています。


大学と違うのは、メタフィスというブランドアイデンティティが前提にあるということがはっきりしていることと、自分の調査やそこからの考え、アイデアを踏まえてムラタさんが次を判断するというところ。大学だと先生に相談することはあっても基本的に自分の作品は自分の物です。会社である以上ブランドアイデンティティに重点が置かれますが、難しいのは縛られすぎてアイデア発想の妨げにならないようなバランスも必要です。幸い自分にはメタフィスのイメージがしっくりくるので普段の姿勢と変わらないのですが、製品化を考えると安全性やらコストやら今まで深く考えなかった部分まで求められるのが大変なところです。

12.12.2009

Kobe Luminarie


久しぶりにルミナリエを見に行ってきました。いつも神戸に戻るのは年末ぎりぎりなので、開催期間中に神戸に居るんだからと、ハーズから帰る途中に寄り道してきました。毎年開催が危ぶまれる噂が後を絶たないので、とりあえず手持ちの小銭をほんとに少ないのですが募金してきました。あと会場BGMのCDも購入。聖歌の様な楽曲なのですがそういうの好きなので普通に欲しいと思ったのと、多少臨時収入があったので少しくらい貢献しようと思いまして。




ヨーロッパの雰囲気に包まれた会場を抜けるとすぐベビーカステラや焼きとうもろこし、りんご飴などの屋台が並んでます。日本らしいといえば日本らしいけど、もう少しコーディネートしたら良いのに。余韻に浸れません。でも、こうやって人が集まってイベントが続いていくのは良いものです。こういう場にもっといろんなアーティストが加われると良いのですが。そういうのは神戸ビエンナーレが担ってるんですかね。

12.10.2009

作品|wall clock ~ 太陽と月(pdwebデザインコンペ)




この作品はpdwebデザインコンペ2009に応募し、準大賞を頂きました。五代@フランスからのメールで結果を知って驚きました。


「wall clock ~ 太陽と月」は1日を空に例えて表わす「壁掛け時計/照明」です。


正確な時刻を示さない代わりにシームレスに変化する光の色とその向きによって室内空間に時間情報を広げます。「17:32…もうこんな時間か」のように固い時間体感から、「夕焼けか? そろそろ帰ろうかな?」というようなやわらかな時間を感じさせます。時間に縛られがちな現代社会に少しの癒しを提案します。


講評にもありましたが、コードの処理や昼間の明るさというのは悩みどころでした。コードは無くしたかったのえすが、電源内蔵でイメージしている光量を維持するのは難しく、ワイヤレス給電はまだ実用化には時間がかかりそうです。立体感の減らした平たい電源ケーブルというのが一番納得できると思いました。昼間の明るさについては割りきっていました。というのも考えの根幹には電気の明かりをつけず、太陽の光と生活するというものがあったからです。ある程度室内が明るければ光を消すというのも良いかもしれません。


テーマは卒研の一部から抽出したもので、つり下げ式の照明を作りながらもっとシンプルで効果的な形があるんじゃないかなぁとアイデアを巡らせ続けていたものが賞をいただけたことは大変嬉しく思います。

12.03.2009

エコ展開催


本日から8日まで新宿パークタワービル、OZONEで「プロと卵のエコデザイン展」が開催されます。寸法がやや規格外の作品になってしまったので写真撮影にも、展示にも苦労しました。また会場が明るいことと、安全上の理由で作品を固定してしまったので水の光を会場ではあまり感じられないかもしれません。ムービーをこちらの投稿に用意したのでぜひご覧下さい。


1000cc 授賞式 & 商品化検討!!


月曜に1000cc Creative Competitionの授賞式が原宿のオフィスで開かれました。いろんな人と話せて(とは言っても質問されてそれについて延々と話すというのがほとんどでしたが)楽しかったです。自分の感じる価値観?を共感してもらえたのがとても嬉しかったです。


表彰状と目録を頂いて受賞のコメントを話し、流れを遮って「写真1枚良いですか?」と急に振ってしまいました。JDN編集長の石井さんから「クリエイターの先にはコンペしかない」という話が身にしみます。これからずっと、どういう形であれアイデアとデザインの競争は続けていかなければいけません。


さらに予定外な嬉しい知らせも。rainy.toneの商品化を検討していただけるそうです。そうでなくても自分で作ろうと思っていましたが、企業にバックアップして頂けるのは心強いです。

11.28.2009

作品|Aqua Torch(+movie)



12月3日から新宿OZONEで開催される「プロと卵のエコデザイン展2009」で展示する作品です。


Aqua Torchは円筒の中にHydro Unit(水力発電機)を備えた砂時計スタイルの照明機器です。水の位置エネルギーを電力に変換し、定期的にひっくり返すことで延々と明かりをともし続けます。エネルギーの生産と消費を一つのプロダクトの中で完結させることのできるプロダクトという未来へのコンセプト提案となっています。寝る少し前の様な少し穏やかな時間を過ごしたい時、Aqua Torchをひっくり返すと「コポコポ」という水が作り出す音と光の揺らぎが気持ちを落ち着けてくれます。




また、Aqua Torchは電力インフラの無い場所でも充電を必要とせずに明かりを作り出す事が出来ます。アウトドアや途上国でもエコな明かりを手にする事が出来ます。


JIDA プロと卵のエコデザイン展2009


制作|Hydro Unit (2)
制作|Hydro Unit (1)
制作|エコ展再設計
修論|Aquas (2)
修論|Aquas (1)

11.27.2009

制作|Hydro Unit (2)


LEDを組み込んでみました。中に入っているのはXiKITの"ジェネモーター"という発電用モーターと LEDは"きらびあ"というDC-DCコンバータ搭載を搭載したものです。この組み合わせだとモーターとLEDを直結出来るので搭載スペースが小さくできます。ジェネモーターは極低回転からLEDを点灯出来る程の電気を発生させるなかなかの優れものです。XiKITのオンラインストアでは教育用風力発電キットに使われており、単品でも注文出来ます。逆に電池をつなぐと心配になるほど低回転で回ります。


水道の蛇口で試してみましたが、やっぱり水力で発電させるには流量(回転数→電力)が足りないらしく、「輝く」というより「ほのかに灯る」という感じに。仮組して水を流してみるとやっぱり回らない。整流する部分でわざと水車に当てる方向に水の流れを向けるなどの現状で出来る限りの工夫をしてるので、光らせるには色々考え直さなければ。


というわけでユニットの脇に穴を開け、新しく配線を組み込みまして、外部電源仕様に改造しました。電池をつなぐとLEDが輝き、モーター及び水車が回転します。とりあえず展示はこれで挑もうかと。発電ユニットだけ別で展示して、カバーを付けたアクリルに照明を仕込んでこの中にこういう発電機入ってます風の展示も考えましたが、隠さずにさらけ出す方が仕組みもわかり易いし努力の後とか見えて良いと思いまして。そんな訳でエコ展ではこいつを並べたいと思います。


XiKIT ストア
JIDA プロと卵のエコデザイン展2009


なお、インターンの関係で自分はオープニングパーティーに出席出来ません。見に行ったら感想聞かせてください。

11.26.2009

制作|Hydro Unit (1)


エコ展の締め切りが迫ってきました。そんな中でようやく工作センターからあがってきた部品を今週受け取りました。アルミ削り出しってやっぱりロマンですね。削り出しで作られた部品は強度も精度も高く、金属の性質を変えないけど手間がかかるのでどちらかと言うと高級品ですが、大学の施設ではとっても安く作れてしまうのです。

そんな部品たちを組もうとしたのですが、きっちり過ぎてアクリルパイプに入らない。むしろ、アクリルパイプの精度がいまいち。アクリルパイプを削る訳にはいかないので、アルミ部品の方を自分で修正します。


ベルトサンダーで研磨の図。回しながら均等に削り、ちょうど入る様にしました。


ついでに水車作り。こちらは完全に手製です。妙に雰囲気のある写真になりました。


しかし今度はシールするOリングが太い、またアクリルパイプに入らない。がんばれば入ったのですが、押し込むと確実に抜けないのでオーリングを微妙に細くする作業が必要です。


まあ、あれこれ作ってますが、動かない気がしてます。作業中に石塚先生に遭遇して「多分動かないと思うんですけど」と話すと「だろうね〜。水車の軸の向きを変えるか細いモーター作って流量増やさないと難しいね〜。」という結論に。以前、軸を変えるのは検討しましたが美しくないので却下し、モーターも考えていたのですがモーターの開発からとなるとキャパシティオーバー+完全に機械系の研究になってしまうので却下してました。”製品”ってのは1人じゃ作れないな〜。

11.24.2009

修論|論理化にあたって

ぼちぼち研究のまとめ方を考えねばなりません。とりあえず「テクノロジーと人を結ぶデザイン」というテーマでワークショップやコンペに作品出して突っ走ってきた訳ですが、一つの技術に注目している訳ではないので、一つを磨き上げる行程を書き上げると言うよりはデザインの発想法として研究を考えた方が良いのではという話に至りました。


リサーチや評価手法による問題の洗い出しなんかについては良く研究されているのですが、問題はそこからどうオリジナリティのあるアイデアを出すか。いわゆるビジョン提案とか価値創造というところの研究がこれから必要とされているわけです。


山崎先生の人間中心設計特論(来年にはイノベーションデザイン特論と名前を変えるそうですが)では著名なデザイナーのデザイン手法を知り、自分のデザイン手法を見つけて実践してみると言う事をやっているのですが、まさにこの授業そのものが修論じゃないかと。


・デザイナー
・プロダクト/サービス
・ユーザー
・シーン(プロダクト/サービスとユーザーの関わり、環境)
・ドメイン(企業やブランド)


上の要素の関連をどう作るか。この修論ではこれを組み立てるアプローチを考える事になりそうです。修論としての作品にはある程度「テクノロジーと人を結ぶ」というテーマに対して共通した考え方を意識しつつ行っていたので、成果が出たコンペもある事だし、自分の研究の構造化と後日ある表彰式・懇親会ではその辺りを審査員の方々などに伺ってこようと思います。


とりあえず今日の研究室会のメモ書き。

11.21.2009

THE OUTLINE/見えていない輪郭


プロトタイプ展の後 ziba での集合時間にも時間があったので同じくミッドタウン・21_21で開かれている「見えていない輪郭」展へ。

会場にはいろんなところで見たことのある製品がずらりと並んでいて、展示パネルのひとつにあった「環境が物の形を決めている」というニュアンスの言葉が印象的でした。みんな見えているようで見えていないその輪郭を形にしている、だから違和感がなく、自然と生活に物がとけ込んでいくというのです。

気になったのは逆光に照らし出されたバスタブ。近づくにつれて手前のエッジが太くなっていく様な錯覚(実際太いのが細く見えている)や光る壁に溶けていく様な視覚効果がとても幻想的に物を見せていました。他にも驚いたのは撮影ブースが再現されていた事。本物は太陽光を使って居るらしいのですが、会場では照明で再現されていました。そこまで立派でなくても良いから学校にも撮影ブースが欲しい。何とかならないものか。

11.20.2009

作品|rainy.tone (1000cc Creative Compe)


千趣会×JDNとして行われた「1000cc Creative Competition」の結果が発表され、なんと最優秀賞をいただきました。テーマは「雨 × SWEET ~雨が降ることが"嬉しい"、"待ち遠しく"させるデザイン~」で、これはその作品「rainy.tone」です。


rainy.toneは「雨が奏でる楽器」です。


庭やベランダに設置するガーデンアクセサリーで、上部の円盤で雨粒を受け止め、やじろべえの様になっている振り子が揺れ、その反動でベルを鳴らします。これは雨音の心地よさ、雨粒に揺れる草木がヒントになっています。ベルの素材や長さを変える事で様々な音色と音程に変える事が出来ます。


雨は確かに傘をさしたり靴が濡れたりいろいろと面倒なものですが、それを改善してもきっと「待ち遠しさ」とは違うし、ただ雨のエッセンスを使ったグッズやファッション(極端にいうと水玉模様とか)を身にまとっても、きっと雨の日は憂鬱に感じると思います。晴れの日にはない雨の日の良さをもっと楽しい体験にすることが、テーマに応える方法と考えました。


1000cc Creative Competition
千趣会
JDN [Japan Design Net]

HCD08:ziba tokyo

今回はziba tokyoで平田さんにワークショップを開いていただきました。最初はオープンラボでの話の続き。zibaが考えるデザインのアプローチの方法と事例の紹介、その中でプレゼンテーションの工夫についてや、今の企業構造が抱える問題などに話が飛びました。


「スイッチを入れてあげる」
これは体験の始まりとして何か切っ掛けをユーザーに与えることで、広告に引き込んだり、商品に引き込んだり、プレゼンテーションに相手を引き込む事。そうする事で相手を退屈させないことが大切だそうです。自分に置き換えても商品をパッと見て「気になる」と思った瞬間、誰かにスイッチを入れられたんだと思います。


「リサーチは今と過去しかわからない」
一生懸命アンケートやヒアリングをしても、それは今や過去の事実を示す物でしかない。デザインは未来を考える事。どうやって今から未来へクリエイティブ・ジャンプするかが大切。この方法についてもzibaでは研究しているそうです。問題解決型デザインはリサーチから問題が見つかるのですが、ビジョン提案型のデザインでは「調査はしてみたけど、結局この後どうすればいいかわからない」と言うのが良くあります。どうやって望まれる未来へ跳躍するか。


「experience = 1.entertainment 2.education 3.inspire 4.involve」
非日常に相手を以下に楽しく、簡単に、相手を巻き込むか。この非日常を表現する事がデザイン。すなわちブランドの特徴になる。ユーザーの期待以上の体験を提供することがブランドの向上に繋がる。UMPQUA BANKという銀行の事例を紹介され、新しい利用者の体験のデザインからそれを実現するすべての従業員が同じベクトルを持つための環境をつくられたとのこと。


「シナリオスケッチとムービー」
自分の解釈ではシナリオスケッチはCMの絵コンテの様な物です。企画段階でユーザーのシーンをペンで簡単に描き、紙1枚でも複数毎でもその中に引き込むストーリーを見せること。ムービーは同じ事をクオリティを上げて行うもの。


「相手を良く分析する事」
目の前の人をいかにして楽しませるか。平田さんはずっとこれを実践されているそうです。ワークショップでは最寄り駅からziba tokyoまでの地図制作。ただの地図ではなく平田さんの為にデザイナーとして提案する事。しかし、20分ほどの時間で作るのは難しかった。

まず道のりとその間にあるランドマーク、目印の位置を思い出す所から自分は始めました。途中いくつか目印はつけてきましたが、平田さんが自分と同じ目印でわかるのかどうかと言うところで悩む。そしてどういう表現で描くか。道の大小がはっきりわかるようにとか、駅の出口を出てすぐに方向が分かるようにとか。色々表現の方法は思いつくけど平田さんにとって一番適しているのは何なのか、そこでまた悩む。意外に忘れがちなのがスタートとゴールを明記することとか、目的地の連絡先を記す事。


学生時代の話まで聞けて、なかなか内容の濃いワークショップでした。

PROTOTYPE展



デザインハブで行われているPROTOTYPE展に行ってきました。ネットや雑誌で見た事のある製品の制作過程が展示されています。



一番見入ってしまったのがこの照明器具。4つのステップで制作プロセスが展示されているのですが、気になったのはこのシリコン型。雄型と雌型があるのですがどうやってこの複雑な形を作ったのかわからない。




光を板に当てて拡散させるランプシェード。紙で様々なタイプの形状が試されています。




そよ風の通り抜けるイメージを持った本棚。小さな模型も木材で、実物と同じ面取りなどのディテールが加工されています。



Japan Design in Milano Salone 2009で見た、ステンレスワイヤーで出来た椅子。


こちらの椅子は最終的にNCルーターというコンピュータ制御の切削機械で削り出しているようです。有機的な形状を作る為にどのように木材を組み合わせたかがわかります。





色々刺激を受ける展示で、来春発売予定の冊子も予約してしまいました。

11.19.2009

特別講義|黒川雅之さん


今年も大学で特別講義に来ていただきました。今回は「素材と身体」をテーマに黒川さんが掲げる8つの言葉についても話していただきました。

「環境」と「物」の定義
環境は物が集まり人の周囲を取り囲む事で出来ている
教室は環境、教室は壁や机、椅子といった物で出来ている。
物の中にも環境がある
椅子には環境性と物性を持っている
椅子の表は母の胸、裏は父の背中
人と物の関係がデザイン、そしてそれは愛情


8つのことば「素材 群体 破綻 気配 偶然 沈黙 曖昧 原型」
素材
岩 存在がデザインの始まり
素材に問う どういう形が良い?

群体
魚の群(魚は群れ全体は知らないが隣の魚はわかる)
森(すくすく育った木もあれば、曲がって育った木もある)
東京(東京は集落の集まり)
全体性を意識
いろんな物があってもそれで調和がとれている。

破綻
枯れるから美しい
始まって終わること
壊れそうだから大事にする

気配
色っぽさ
西洋と日本
陰と陽
気配までが人の一部
気配と気配の間

偶然
生命の誕生
地球の表面は奇跡の空間
死ぬことは宇宙へ帰ること
偶然の中の美
偶然を拾う
書道の墨の掠れやムラ

沈黙
素材に語らせろ
創作者の表現と聞き手の想像
コミュニケーションは伝えることではなく刺激すること
物を渡す様に意思を伝える事は出来ない

曖昧
山と平野の境界はどこか
はっきりとさせないことで新しい美しさを

原型
物のオリジンを見つける事
障子のテーブル、ゴムの〜→黒川雅之


そして株式会社ケイについて
自分が作りたい物を作る会社

1.作りたい物を作る
2.愛せる物を作る
3.職人主義
4.編集という想像
5.国際商品
6.アライアンス
7.雑貨
8.デザイナーズ・ブランド

企てる ・つくる・売る・ケア
ケイが企画し、製造企業とアライアンスし、ケイが販売する
親会社と下請けという関係ではない
だから安くしろとは言わず、クオリティーを上げる事を言う
高いのは当たり前、だってハイクオリティだから
商品に共感してくれる人に買ってもらう
日本で1000個しか売れなくても、世界で10000個売れれば良い
営業で売らず、広報で売る(欲しいから買う)


8つの言葉の説明に加えて、会社の事まで聞けたのは良かったです。「学校では企てる事しか教えないが、デザイナーはその後の事も学ぶべき」だそうです。たしかに企画は基本かもしれないけど、製造や販売について大学の授業でしっかりと触れられた事がない。高専での経験はそういう意味で製造の知識に繋がっているのは良い事だと再認識。

その後の懇親会でも色々な話が出てきました。「今は白熱電球からLEDになってしまった様に、技術も学んで知らなければデザインできない。」「バイクに乗りたいが周りに反対されて結局乗れず、乗れなくていいから部屋に飾りたい」「最近、博士論文を書いた」など。

11.17.2009

iPhone|INTO INFINITY


INTO INFINITYというビジュアル&サウンドミキサーです。8秒のループサウンドと円形のグラフィックを様々なアーティストがCreavive Commons ライセンスの元で公開し、ユーザーが自由にサウンドを組み合わせることが出来ます。Webでも公開されてますが、iPhone版がとても良いです。



ランダムで音源がダウンロードされて、再生されるとコレクションされて、グラフィックをタップすると再生されます。回転するグラフィックがレコード盤の様です。+Addをタップすると下の様に他の音源と同時に再生されます。



通常はINTO INFINITYのアイコンを中心に回転し、新しい音源が現れては消えていきます。グラフィックは指で移動でき、中心に近いほど音量が上がります。INTO INFINITYアイコンをタップするとフリーズモードになりグラフィックを固定する事が出来ます。ここでも音源をミキシングする事が出来ます。

左下のアイコンをクリックすると今再生されているままの音をメールで送信する事が出来ます。

Sound Sample


メディアアートとしての楽しさとコンテンツの共有と発展という著作権問題に絡む新しい取り組みです。